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2026年10月、ニューヨーク・タイムズ紙はトランプ大統領によるトランスジェンダー軍人排除方針を巡り、米海軍および海兵隊の除隊審査委員会が審理した12件中9件において現役軍籍の維持を支持する議決を行っていたと報じた。この判断はピート・ヘグセス国防長官が推進する一律排除方針と正面から矛盾しており、個々の軍務実績を精査する前線指揮官層と政権上層部の方針との間に深刻な摩擦が存在することを露呈させた。委員会の決定が軍籍継続を最終的に保証するものではないものの、戦備体制と兵員の適格性を巡る軍内部の意見対立が鮮明になっている。
審査結果は軍種によって著しい差異を示している。3度の海外派遣経験を持つ海兵隊兵站専門職のダミアン・コントレラス二等軍曹は、卓越した軍務記録が評価されて残留勧告を受けた一人であり、「戦う兵士が仲間の戦士を公正に評価した結果だ」と語った。これに対し、陸軍の審査委員会は圧倒的多数で除隊勧告を出し、空軍では確認されたすべての事案で除隊が勧告された。さらに国防総省は2025年10月の通達により、委員会が残留を認めた場合でも上級指揮官がその判断を覆す権限を付与しており、当事者の身分保障は極めて不透明な状況に置かれている。
除隊手続きを加速させるため、国防総省は当事者に対する手続き上の制約を強化してきた。審査に出頭する兵士に対して出生時の指定性別に沿った制服着用や身だしなみ基準の遵守を義務付け、これを拒否した場合は欠席裁判が進められ不利な情状として扱われる規定を導入した。ウェストポイント陸軍士官学校で指導教官を務め11年の軍歴を持つカイ・プローチェ大尉は、多数の表彰実績にもかかわらず性別違和の診断を理由に8月に除隊が議決された。政権側は戦備や部隊の結束を理由に掲げる一方、ヘグセス長官による公の場での排斥的言動は司法の場でも厳しく問われている。
現在、除隊方針の違法性を訴えて法廷闘争を続ける現役原告らに対しても手続きが強行されている。政権を提訴している陸軍予備役のニコラス・タルボット少尉には所属部隊から除隊通告書が交付され、海軍のクララ・ウィンチェル大尉の事案では審査委が訴訟係属中の除隊延期を勧告した。連邦控訴裁判所は6月に現役原告らを保護する判断を下したものの、政権側が最高裁判所に審理を求めているため執行命令は保留されており、本案訴訟の審理は2027年1月4日に予定されている。
ノースアメリカ編集部:リアム・スミス
出典:ニューヨーク・タイムズ紙およびアドボケート誌の報道を総合
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