米国・ヒューストン市長が私費でプライド旗掲揚

画像出典:Anything For The Clout

2026年9月29日、米テキサス州ヒューストンの歴史的な性的マイノリティ居住区であるモントローズの下ウェストハイマー通りに、10本のプログレス・プライド旗が掲揚されました。この事業費約1万ドルは、当初予定されていた市議会予算ではなく、ジョン・ホイットマイア(John Whitmire)市長が私財から全額拠出しました。市長は私費を投じた理由について、いかなる行政・政治的介入からも旗の設置を直接保護するためであると明言しました。

この対応の背景には、テキサス州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)知事による強硬な規制方針があります。アボット知事は2025年10月、州運輸局に対し道路規則の厳格な適用を命じ、政治的・思想的意図を持つ非標準的な路面標示を禁止したうえ、違反自治体への道路交付金停止を警告しました。この圧力により、モントローズの象徴であったレインボー柄の横断歩道はアスファルトで再舗装されて消去され、市民社会に深い動揺を与えていました。

9月29日の記念式典において、同性愛者であることを公表しているアン・ジョンソン(Ann Johnson)州下院議員は「私たちの存在や歴史をアスファルトで覆い隠すことはできない」と州当局を痛烈に批判しました。また、「Pride Houston 365」のケリー=アン・モリソン(Kerry-Ann Morrison)会長は、通りを訪れる人々に対して「あなたはここにいて、認められており、居場所がある」という力強いメッセージを届けるものだとその意義を強調しました。

路面の横断歩道は失われたものの、街灯の上にシンボルを掲げることで州の道路規制を回避し、地域の文化的アイデンティティの再生に成功しました。自治体首長と地域社会の結束による今回の取り組みは、保守的な州行政の抑圧に対抗してマイノリティの尊厳を守り抜いた象徴的な事例として高く評価されています。

ノースアメリカ編集部:リアム・スミス

出典:LGBTQ News