
画像出典:Library of Congress
2026年9月23日、米テキサス州連邦地方裁判所のジェームズ・W・ヘンドリックス(James W. Hendrix)判事は、連邦政府と原告5州による共同和解動議を承認し終局判決を下しました。この判決により、リハビリテーション法第504条(Section 504)の最新施行規則から、「地域社会統合」および「最も統合された環境」に関する行政執行規定が全米規模で永久に削除されました。
この訴訟は2024年、テキサス州を中心とする共和党主導の17州が、第504条の保護対象に「性別違和」を含めたバイデン政権の施行細則を不服として提訴したことに端を発します。原告側は当初、第504条自体の違憲判断を求めましたが、全米の障害者権利団体の反発を受けてその主張を撤回し、多くの州が離脱した結果、テキサス、フロリダ、アラスカ、ルイジアナ、モンタナの5州のみが係争を継続していました。
しかし、2026年6月に米司法省が地域社会統合の優先執行を行わない方針を示し、8月下旬には保健福祉省(HHS)が原告側の要求を受け入れ、条文からの統合規定削除を申し立てる事態となりました。トランスジェンダー当事者の保護を標的に始まった政治的訴訟は、最終的に障害当事者全体の行政的保護枠組みを縮小させる形で終結し、45 C.F.R. § 84.76を含む中核的な執行指針が失われました。
判決に対し、アメリカ知的・発達障害者協会(The Arc)や全米障害者協会(AAPD)などは共同声明を出し、連邦政府が半世紀にわたる地域統合への約束を放棄したとして厳しく批判しました。擁護団体は、第504条の法文自体や障害を持つアメリカ人法(ADA)、最高裁のオルムステッド判例は依然として有効であると強調する一方、明確な連邦指針が失われたことで不要な施設収容を防ぐ防波堤が著しく弱体化することを懸念しています。
ノースアメリカ編集部:リアム・スミス
出典:LGBTQ News
